身体がいうことを聞かない
持続可能な生き方を考えよう
「朝起きられない。なのに夜は元気にしている」
「学校に行こうとするとお腹が痛くなる」
こういった症状が続いている子は、「心身症」(疾患がないのに症状が出る病気)かもしれません。
心身症のつらさは、どんなに頑張っても、頑張りたくても、自分ではどうにもならないことです。
むしろ、頑張るほど悪化していきます。
そして徐々に、体調が悪い事が当たり前になり、「普通の体調」が分か らなくなってしまいます。
そうなる前に、まずは、体と心と自分を休ませてあげてください。
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知ってほしいこと
心身症は、自分の意思に関係なく体調が悪い状態が続きます。「怠けている」のではなく、「自分ではどうしようもない」のです。
代表的な心身症
「過敏性腸症候群」…お腹の調子が非常に悪くなる病気
「起立性調節障害」※この章では、こちらの病気に対してどんな対応・支援ができるかを考えていきます
…ストレスで自律神経がうまく機能せず、血圧が下がり、様々な症状が出る病気です。
悪化すると「慢性疲労症候群」と呼ばれる事も。
身体の成長に追いつけなかったタイプや、精神的な理由で発症するタイプがあるとされています。
症状は、「(ソファでも)立ちくらみ」「頭痛」「寝ても疲れが取れない(むしろ疲労感が増える)」「好きなことにも集中できない(ゲームはできる)」「思考力・記憶力の低下」「朝起きられない・午後は比較的マシ」「座っていられない」「立っていると調子が悪くなる」「酔いやすい」などなど。
また、ストレス・自律神経・疲れから現れる可能性のある症状は
「発疹」「肋間神経痛」「帯状疱疹」「咽喉頭異常感症(ヒステリー球)」「耳が聞こえにくくなる」「気象病」などなど。
症状が出た時には特につかれているのだと思ってしっかり休んでください。(おすすめは、1日中ベッドで本を読むこと!)
精神的な理由で症状が出ている場合、リラックスして生活できるようになるまで症状が続く可能性があります。
※勉強はできないけれどゲームはできる
「勉強はできないけれどゲームはできる」のは、「使う脳の部位が違うから」だそうです。
起立性調節障害と似た病気
起立性調節障害と似た症状が出る病気には、「副腎疲労」「脳脊髄液減少症」などがあります。
起立性調節障害の一日の体調

Aさんと「起立性調節障害」
Aさんは、熱以外で学校を休んだことがなく、成績も上の方でした。
ですが、中学3年生の夏休みに突然、朝から昼寝をするようになり、ソファから立ち上がるだけで立ちくらみがするようになります。
それを不信に思ったお母さまがインターネットで調べ、病院へ行ったところ、「起立性調節障害」だと診断されました。
それからしばらくは、頭痛や体調不良がありながらも、学校に通っていました。
そして、症状があることに慣れきってしまったころ、人生で一番頑張ってしまい、
高校2年生の夏休みに突然、お昼過ぎになっても起きられなくなり、夏休みの宿題も終わらず、その後週に2・3日しか学校に行けなくなってしまいました。
血圧について
Aさんは、血圧が上:84 下:53 脈:101が基本だったそう。
その後Aさんは高校を中退。独学で高認試験・大学入試を受けて、大学生になりました。
Aさんに相談したい方は、minaにお問い合わせください。
どう回復していくか ―Aさんの体験談―
わたしは、小児科で検査・診断を受けてから、漢方を出してくれる病院へ通いました。
ぜひ、今悩んでいる皆さんにも、「漢方」と「休むこと」をおすすめしたいです。
「自律神経の病気=理由がはっきりしない」ため、西洋医学では対症療法になってしまいます。
一方、東洋医学は身体に直接アプローチしてくれます。
整体やヨガなども経験しましたが、頑張るのをやめない限り、疲れる⇨整体へ行く⇨頑張りすぎて疲れるの繰り返しになってしまいました。
◇とにかく早く休んで、楽に生きよう。
「体力がなくなったから」と運動をしたり、バスで立ったり。まだ頭痛や体の重さがある中で、勉強や趣味を頑張ったりするのは、やめましょう!
病気が治ると、階段を登っても頭痛はしないし、床から勢いよく立っても何も感じなくなります。
ですが、私はそうなる前に頑張ってしまい、ベッドから動けなくなるほど体調が悪化してしまいました。もちろん、趣味さえできません。
起立性調節障害は、悪化する可能性が高い病気です。
悪化してしまうと、進路を変えざるをえなかったり、進学後も体調が悪い中ですごさないといけなくなります。
「楽に生きる」感覚が分かったな、と思えてから、少しずつ自分に合う生活を探していってほしいと、経験者は思います。
今、大学生の人は、授業を休んでみたり、単位数を減らしてみてほしいです。
高校生以下の場合、きっと、「学校をしばらくお休みする」のが、一番早い社会復帰への道なのではないかと、今個人的には感じています。
学校との付き合い方・進路
◇体育を避けよう
起立性調節障害にとって、体育は大敵です。
少なくとも、水泳は見学にしてもらいましょう。教師にも説明をして、他の競技の際も、代替手段や軽い運動で済むように配慮してもらいましょう。
起立性調節障害は病気です。症状が悪化する可能性があるから「できない」んだと、堂々と休んで良いのです。
そして、学校をやめてしまってもいいんです。
◇小・中学校
小・中学校の間は、いくら休んでも大丈夫です。
勉強が分からなくならない程度に、が理想だと思いますが、今は通信教材や塾も豊富のため、気負う必要はありません!
◇高校
高校は、夜間や通信、高卒認定試験の対策ができる学校、独学での高認受験など、色々な選択肢があります。
高認試験はテキストを勉強すればきちんと合格できるようになっています。
病気の症状もあるため、お子さんだけでは調べることが難しいと思われます。興味や体調を聞いて、色々な可能性を提示してあげてください。
高認試験の勉強方法などについて、minaの関連サイト『HSP/起立性の生き方』に記事が掲載されています。よろしければご参照ください。
Q.成績はどうするの?
高校は、必要な日数と成績が取れれば卒業ができます。そのため、卒業ができるだけのテスト勉強と、通学ができれば十分です。
体調が悪化した場合に備えて、「全体の出席日数」と「授業ごとの出席日数」は数えておくと良いかもしれません。
起立性調節障害の方向けの「定期試験の対策方法」も関連サイト『HSP/起立性の生き方』に掲載されています。
◇大学
この頃まで症状が出ている場合、4年かけてゆっくり単位を取ることをおすすめします。休学という選択肢もあります。
近年は就活の早期化が進んでいますが、自分のペースで勉強をしていきましょう。
将来については、本人が一番不安に思っていると思います。どうか急かさず、
「気楽に生きていいんだよ」
「自分のペースで、堂々と生きていいんだよ」
と、伝えてあげてください。
子どもが夜寝ないとき
この病気は「午後から症状がマシになる」ため、
「午前中にできなかった分を取り返したい」
「今寝たら体調がまた悪くなってしまう!」
という思いから、就寝時間が遅くなってしまうことがあります。
どうか怒らないで、「病気と戦っているんだな」と思ってあげてください。
その一方で、病気の経験者としてお子さんに伝えたいこともあります。
良い体調や集中力をリセットしたくない気持ちはとってもよくわかるのですが、「どうにかこらえて、早く寝てほしい」ということです。
就寝時間を遅くしてを続けていると、体が回復した後も(つまり、寝たら体調が良くなる状態になっても、)「今しかできないから…」と思って寝れなくなってしまうかもしれません。(わたしは今もバトル中です…!)
家で寝転がらないこと?
起立性調節障害の対処法に、「日中はできるだけ横にならない」というものがあります。
ですが、症状の重さによっては、横にならないと気持ち悪くて仕方がない場合があります。
逆に、寝転がり続けているせいで、体が冷えるなどして調子が悪くなることもあります。
可能であれば、背もたれの角度を変えられるイス・ベッドなどを用いると、どちらの場合も比較的楽に過ごせるかもしれません。
詳しく知りたい方へ
『改訂 起立性調節障害の子どもの正しい理解と対応』著:田中英高
『改訂 起立性調節障害の子どもの日常生活サポートブック』著:田中英高
『身体が「ノー」と言うとき』 著:ガボール・マテ
相談先
『NPO法人mina』のお問い合わせ
minaの発起人は、起立性調節障害の親御さんです。また、当事者もいます。
◇『心身症タイプ』に必要な支援とは?
| (勉強) | (・それぞれの進度に合わせた支援) (・受験や進路の話) |
| 人 | ・「頑張らなくて良い」と見守ってくれる人 ・穏やかな人、気楽な人、愉快な人 |
| その他 | ・締め切りを作らない ・焦らせない ・楽しくても、忙しくなく |
このタイプの子は、頑張り続けた結果病気を発症していることも多いため、勉強よりもなによりも、「休むこと」「無理をしない、頑張らないこと」「自分にとって楽な生き方をすること」が大切です。
そのため、「あなたは頑張ってるよ」「休んでいいんだよ」と伝えたり、
生き方で「気楽に生きる」を表しているような人がいると、回復のお手伝いができるかもしれません。
何もない日にアイスやお菓子を食べたり、
こちら書かれている、「人と違う意見を言う練習」を試してみるのも良いかもしれません。
(裏を返せば、そういった生活をしたことがない子どもがいるということです。)
他にも、身体が固まっている可能性が高いので、柔軟運動をしたり(痛いレベルまでやらなくて良いことも伝えてあげてください)、そういった平易な生活が体験できると良いと思います。
一方、忙しさや「(いつまでに)○○しなきゃいけない」は大敵です。
いつ体調が良いか、悪いか、本人にも予測できないためです。
そのため、1日限りのイベントなどは、
「出れないなと思ったら休んでOK!」
「行きたいって気持ちがあるのも、ちゃんとわかってるよ」
ということを、丁寧に伝えてあげましょう。
また、イベントの予定は詰めこまず、いつでも抜けられることも伝えておきましょう。
◇『心身症タイプ』がいやすい居場所を考える
① 楽しくても、忙しくなく
楽しいことでも、度が過ぎると後で反動がきます。
気をつかいすぎる必要はありませんが、その子の体力によって内容を選びましょう。
また、本人が「参加したい!」という意志が強くても、思ったよりも体調が悪化していたり、人の多さや熱量で疲れてしまうこともあります。
「焦らなくて大丈夫」と伝えたり、可能であれば、定期的にそのイベントを開催して、「いつでも参加できるんだ」と思えるようにしてあげてください。
② 夕方からが本番
起立性調節障害は、夕方から症状がマシになる傾向があります。
反対に朝は弱いため、活動時間を程よく設定する必要があります。
③ オンラインからオフラインへ
特に体調が悪い時には、外に出ることが難しくなります。
よって、オンラインの居場所が候補に挙がりますが、体調によってはスマホの画面を見ることすらままなりません。
音声であれば画面を見る必要がないため、参加しやすい可能性はあります。
また、長く座っていることが難しい時もあるため、寝転がれるイスやクッション、床、ベッドなどがあると気楽に立ち寄れるかもしれません。
起立性調節障害は思春期に多い病気ですが、大人の方でもなる可能性があります。
ストレスとは程よいお付き合いを。


