人間関係タイプ~「ノリが合わない」「いじめ」など~

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加害者が先生の場合も。
悪いのは加害者です

 大人にとってはあっという間の1年も、子どもにとっては3年、5年、永遠に終わらない世界のように感じているものです。
 そして、年齢的に「自分の好きなように生き方を決められる」という体験をしていないことが多く、学校以外に道はないのだと感じてしまいがちです。

 学校というのは、たまたま同じ電車に乗った人と仲良くしろと言われているようなものです。
 ぜひ、今の車両・路線以外にもたくさんの道があることを、示してあげてください。

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知ってほしいこと

 いじめられている人は、百パーセント悪くありません。
 いじめに、まともな理由なんてありません。

  もしかしたら、コミュニケーションの方法が合わないなど、きっかけはあったかもしれません。
たとえきっかけがあったとしても、「いじめる」という手段をとるのは間違いです。
 
 ノリが合わないことも、ひとつも悪いことではありません。
 その教室の2億倍もの人が、この世界にはいます。
 たまたま近くにいた人と仲良くなれなくても、
この世界には必ず、お子さんと仲良くなれる人が存在します。
 ぜひ、その世界を一緒に探してあげてほしいと思います。

いじめは耐えてこそ成長できる?

 いじめに耐えて強くなった、という親御さんもいるかもしれません。でもその裏で、たくさんの人が、心に受けた傷のために大変な生活を送っています。
 また、現代はスマホがあるため、学校の外でも24時間いじめがあるのです。

きっかけと対処法について

 きっかけによっては、その後の対応でいじめを悪化させてしまう可能性があるため、注意が必要です。

きっかけ① 悪口を言わなかった、特定の人の味方にならなかったから

子どもは時々、友達を「自分・グループに同調するかどうか」で考えてしまうことがあります。
 その中で、「常に○○グループの味方」ではなく論理的・道徳的に正しい選択をすると、嫌われてしまうことがあります。
 「仲間に入りたければ○○してこいよ」の同調圧力バージョン、と言えるかもしれません。

 難しい選択なのは重々承知ですが、この場合「そういう人とは関わらなくていい」と考えることをおすすめしたいです。
 いじめの起きるグループでは、周りまわってほとんど全員が1度は嫌われる対象になります。
 それに怯えるよりも、お子さんのやりたいこと・楽しみのために生きてみても良いと思います。
 学校を辞めたっていいし、 クラスの別の子に声をかけたら、案外すんなり受け入れてくれるかもしれません。

 いずれ、大学や社会に出たら、大抵の人はひとりぼっちから始まります。その練習と割り切ってみても、いいかもしれません。
 でも、それはつらい道のりでもあるので、親御さんはぜひ、一緒に遊びに行ったり、美味しい物を食べたり、お家で支えてあげてください。

 また、正義感が強く、それを口に出せる子は、いじめの対象になりやすいです。
 「喧嘩にならず、相手が納得しやすい言い方はないだろうか?」と伝え方の練習をしてみるのも良いかもしれません。

きっかけ② 合わない相手だった 

 お子さんによっては、人との適切な距離の取り方が分からず、相手に近づきすぎてしまったり、一方的に話し続けてしまう・一般的なコミュニケ―ションが苦手、という場合もあります。

 相手は「合わないから距離を置いているのに、それに気づかずに話しかけられてうざい」と感じてまい、結果的にいじめのようになってしまうのです。

 この世界には、気の合う人や合わない人、家族から事務的な相手まで、たくさんの関係があります。
 そのグループ以外の居場所を見つけてみる、という選択肢も、ぜひ一度考えてみてください。

起こりやすい症状

 このタイプは、対処の速さによって症状が大きく変わってきます。

 はじめは、親御さんの前では無理に明るくふるまうこともあるかもしれません。
 ですが、徐々に心が疲れてきたり、頭痛や腹痛、集中力の欠如といった症状が表れたりもします。
 音楽の好みや、イラストのテイストが変わっていることもあるでしょう。
 そして、精神的な病気のリスクも上がります。

 不登校にならなくても、ずっと傷や恨みを抱え続けたり、心が疲れ切ってから不登校になった場合は、回復にとても時間がかかるでしょう。
 お子さんの心を守ることを一番に考えてあげてください。

部屋にこもる、ゲームの時間が増えた

一概には言えませんが、「部屋にこもるようになった」「ゲーム・ネットの時間が増えた」
なども、人間関係のストレスが原因の可能性があります。

お子さんの心を守るために

 本人が学校に行きたがっている場合、無理に「学校を休め」と言う必要はありませんが、
 もしもつらい中頑張って行っているようなら、

・休む・転校することは悪いことじゃないこと
・親の負担にもならないこと(1)
・今の学校でなくても受験は大丈夫なこと(2)

 を伝えてあげてください。

(1)毎晩話を聞くなどで、必要な仕事に支障が出る場合は、「あなたのことを大切に思っている。
けれど、生きていくためには仕事をする必要がある」と伝えるのと同時に、カウンセラーを一緒に探したり、休みの日に話を聞く・遊びに行く約束をして、絶対に約束を守ってあげてください。

(2)受験のことを心配しているお子さんもいると思います。
推薦を狙わないのであれば、独学でも、通信制高校や塾でも、学ぶことができます
(国公立大学に進学実績のある通信制高校もあります)

◇先生への期待は半分くらいにしよう

 先生は、完璧人間なわけではありません。とてもやさしい人もいれば、話を聞いてくれない人もいます。
 先生や学校によると思いますが、不登校に関するある調査では、不登校の理由を把握できている先生は少ないことがわかります。*
 伝えるときは、担任の先生や学年主任など、考えてくれそうな人に

① こういうことで困っている
② このままだと、学校に行けなくなりそう
③ こういう対応をしてもらえないか

 と、整理して話してみましょう。

◇楽しいことをしよう

 まずは、自分(お子さん)が楽しいと思えることを、自分から・自発的ににできるように支えてあげてほしいと思います。
 本を読んだり、何もない日にケーキを買ったり。ドライブが嬉しかったという声もたびたび聞きます。

学校との付き合い方・進路

 学校に相談して解決しなかった場合、学校を辞めたり、変えてしまうことをおすすめしたいです。
 本来は加害者がカウンセリングを受け、転校などをするべきなのですが、今の日本では多くはそうならないのが現実。

 人間関係のトラウマは将来にも影響します。
 たまたま、その学校の人間関係が合わなかっただけですので、無理して通って心の辛さを引きずるよりも、お子さんが楽しく生きられる道を選んでほしいと私たちは思います。

おすすめの本

文学作品、作家の日記…図書館や「青空文庫」というサイトにあります

『メメンとモリ』著:ヨシタケシンスケ
『いなくなれ、群青』著:河野裕

おすすめの居場所

 同じ学校の他のクラスから、保健室、別の全日制・夜間・通信の学校、フリースクール、ホームスクール、趣味でつながる場所、多世代向けの居場所などなど。
 お子さんが安心できる、安全な居場所ならどこでも構わないのです。

困った時の連絡先(24時間365日対応)

24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(悩み言おう)
チャット:あなたのいばしょ
お子さんも親御さんも相談できます。

◇『人間関係タイプ』に必要な支援とは?

勉強・それぞれの進度に合わせた支援
・受験や多様な進路の話
人・否定しない、傾聴的なかかわり
その他・悩み事や困りごとに気を配る
・家庭環境にも気を配る


  このタイプは、性格も勉強の進度もまったくバラバラです。
 共通してできる支援としては、「話をよく聞いてあげること」と、「観察しておくこと」だと思います。

 話を聞くことは当然として、観察をお勧めする理由は、裏に発達障害や家庭の問題、精神的な病気の予兆が潜んでいる可能性があるためです。

 また、「嫌われたくないから」と、人に合わせすぎてしまう子もいるかもしれません。
 そんなときは、バウンダリー(境界線)*や自己主張の方法、「自分の意見があるのは当然のことなんだ」ということを教えてあげてください。

※バウンダリーとは、「あなた」と「わたし」は違う人なんだ、と区別する境界線のこと。
 くわしくはこちらの記事がおすすめです。
『自分と他者を区別する境界線「バウンダリー」とは?』

 人と違う意見を言う練習をしてみてもいいかもしれません。
 例えば、好きな色・好きな動物などについて話したり、質問してみるのです。

 A.「何色が好き?」
 B.「黄色かな」
 A.「そっか黄色か。私は青が好きだな」
 という風に。

 家庭環境やいじめの影響が強い場合、このレベルの日常会話でも、「違う意見を言う」ことに緊張してしまうかもしれません。
 けれど、こうしたささいな会話の中で少しずつ、「話を聞いてくれる人もいる」「自分を出しても大丈夫」と学んでいくことができます。

◇『人間関係タイプ』がいやすい居場所を考える

 それぞれの子の事情は全く違うので一概には言えませんが、いくつかアイディアを紹介したいと思います。

① 多世代型の居場所

 色々な世代の人が集まる居場所の場合、
「教室だけが世界じゃない」「色んな経験の話が聞ける」など、視野が広げられる可能性があります。
 所属している安心感や、守ってくれる人がいるという安心感も得やすいかもしれません。

② 楽しい居場所、共働する居場所

 皆で遊んだり、一緒に何かを作り上げる居場所の場合、いつか学校に行きたいと思ったときに、比較的すんなりと行くことができるかもしれません。

③ 好きなことでつながる居場所

 好きなこと・趣味の話で盛り上がるのって、楽しいですよね。
 さらに、趣味でつながる居場所は、探求心や説明能力・自己主張の力を身につけることができるかもしれません。
 色々な年齢の人と同じ話ができたり、褒められるなどして、「将来を自分でつくっていこう」という意欲がわく可能性もあるでしょう。

コラム いじめ(重大事態)について

 いじめが、自殺・けが・精神疾患・不登校などの〝重大事態〟(1)へ発展する例が後を絶ちません。

 いじめは政府によって、

 「本人が嫌だと感じたらいじめである」

 と定義されています。(2)
 また、その定義の中に『いじめの中には「犯罪」に該当するものも含まれている』、と書かれています。 

 例えば、「いじり」「バカにして笑うこと」も、本人が嫌だと感じたら「いじめ」ですし、「名誉棄損罪」「侮辱罪」になります。
 このように、大抵の「いじめ」は一般社会からみれば、「犯罪」としてとらえることができますし、実際に命が危険にさらされている子どもたちがいます。

1.文部科学省「重大事態」の解説(案) 資料2
2.文部科学省『いじめの定義』(2013年改定)

  子どもたちは「心配をかけたくないから」という思いから、親御さんの前では明るく振る舞ったり、いじめられていることを話していないことが多くあります。

 また、

 「自分のされていることは、いじめなんだ」
 「笑って受け流さなくていいんだ」

 と、気づけていないことも多いでしょう。

 そんな子どもたちに、私たち大人ができることは

 ・いじめは犯罪になるかもしれないこと
 ・自分、相手の命にかかわる問題であること

 を理解し、子どもや周囲の大人に(場合によっては学校にも)伝え続けること。
 そして、子どもに対して
「あなたの気持ちはあなたのものだよ。傷ついているって周りに話していいんだよ」と伝え、
 本人が話したいと思ったときにいつでも聞いてあげられるよう環境を整えておくこと、なのではないでしょうか。

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